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『UNSHAKEABLE 揺るがない力』アンソニー・ロビンズ著

『UNSHAKEABLE 揺るがない力』の概要

『UNSHAKEABLE 揺るがない力』は、著者であるアンソニー・ロビンズが、50人以上の投資家や起業家にインタビューを行い、その知恵を凝縮した1冊です。

インタビューを受けた50人の中には、世界一の投資家ウォーレン・バフェット、ヘッジファンドマネージャーのレイ・ダリオ、インデックスファンドの生みの親であるバンガード社CEOジャック・ボーグルなど、数々の金融のプロフェッショナル達がいます。

 

本書は、以下の3部構成となっています。

  • 第1部 富と経済的成功のルール集
  • 第2部 資産形成の戦略集
  • 第3部 富の心理学

第1部では、金融市場のパターンを知るとともに、市場の暴落や手数料といった、投資における「敵」を賢く避ける方法について解説しています。また、頼りにすべき投資アドバイザーの選び方についても記されています。

第2部では、投資の4大原則と、市場の暴落に負けないポートフォリオの組み方について解説しています。

第3部では、投資家が陥りやすい6つの過ちを紹介しています。「投資の成功要因の8割が心理状態である」と著者が述べるほど重大な影響を及ぼす、投資家心理のコントロール方法を解説しています。また、「真の豊かさ」とは「経済的な豊かさ」と「精神的な豊かさ」が共存する状態であることも説いているセクションです。

本書のノウハウを愚直に実行することで、景気の上がり下がりに臆することなく、たとえ大不況に陥っても、経済的かつ精神的に安定した「UNSHAKEABLE=揺るぎない生き方」を実現できるでしょう。

『UNSHAKEABLE 揺るがない力』はこんな方にオススメ

本書は、以下のような方々にオススメの1冊です。

  • 投資に興味はあるけど、怖くてなかなか一歩を踏み出せない
  • 投資を始めてみたものの、失敗したくない
  • 投資は危険なものだから手を出すべきではない

これらのように、投資に対してネガティブなイメージを抱いている方に向けて、成功する投資家のマインドを本書が教えてくれます。

それらの中には、重要だけど知られていないものも多いため、これまで持っていた投資に対する認識が覆るかもしれません。

読み進めていくうちに、

  • 投資って思ったほど恐れるものではないんだな
  • 株価が下がっているときこそチャンスなんだ
  • 投資をしないことが一番のリスクなのか

と気付いていくことでしょう。

著者アンソニー・ロビンズについて

『UNSHAKEABLE 揺るがない力』の著者アンソニー・ロビンズ(愛称:トニー・ロビンズ)のプロフィールは以下の通りです。

  • 世界有数のカリスマコーチ、ベストセラー作家、起業家、慈善活動家。
  • 本書出版時(2019年)の年収は100億円。
  • コーチングの契約料はなんと年間1億円。そんな破格のコーチング料にもかかわらず、彼のアドバイスを求める人で3年待ちの状態。
  • 複数の会社を経営し、その年間売上高は総額5000億円。
  • 食糧支援団体フィーディング・アメリカと連携し、過去2年間で貧困家庭に2億5000万食の食糧支援を行う。今後8年間で10億食を提供予定。

また慈善活動の一環として、本書の印税はフィーディング・アメリカに全額寄付されます。彼はこの活動を通して「経済活動と慈善活動は相反する存在ではない」という真実を体現しています。

ビジネスでも慈善活動でも、「他人のニーズを満たす」ことが目標という点で共通しています。ビル・ゲイツをはじめ、ビジネスの成功者が慈善事業でも成功を収めているケースは少なくありません。

このように彼は、資産を築いたり何かを生み出したりすることによって、他者を助ける手立てを得られることを実証しているのです。

本書で学べること

本書では、「揺るぎない生き方」を実現するためのメソッドが凝縮されています。

ここではその中でも、投資における「3つの敵」に焦点を当てて解説します。

投資における「3つの敵」を知ること

投資を成功に導くためには、「3つの敵」の存在を知ることが重要です。この敵が合理的な投資計画の邪魔をするため、それぞれ対策を講じる必要があります。

3つの敵とは、

  1. 恐怖心
  2. 手数料
  3. 心理的バイアス

です。それぞれについて、以下で解説します。

1. 恐怖心

1つ目の敵は「恐怖心」です。

株価の暴落が起きたら、多くの投資家が恐怖と不安に苛まれるでしょう。これ以上の値下がりに耐え切れず、持っている株をすべて売り払ってしまうかもしれません。

しかし著者は、「最大の危険は調整でも下げ相場でもなく、市場から撤退してしまうこと」と述べています。

(調整:株価がピークから10%以上下落すること。下げ相場:株価がピークから20%以上下落すること。)

とはいえ、市場から撤退せずにどうやって恐怖と不安から逃れられるのでしょうか。

それは、「金融市場の仕組みがわかる7つの事実」を理解することです。

 

株式市場にはパターン化している事実が7つあり、それに着目すると金融市場の仕組みが見えてくるとのこと。そして多くの投資家が抱える恐怖や不安から自由になれると言います。

もちろん100%確実なものは存在しませんが、何年にもわたるデータから判明した効果的なアプローチを採用すれば、成功確率は格段に上がるでしょう。

 

金融市場の仕組みがわかる7つの事実とは以下の通りです。

  1. 1900年以降、調整はほぼ年に一度のペースで起きている
  2. 下げ相場に発展する調整は、全体の20%未満しかない
  3. 株価の変動を一貫して予想できる人はいない
  4. 株価はたびたび短期の下落を繰り返すが、また徐々に上昇する
  5. 歴史的に見て、下げ相場は3~5年ごとにやって来る
  6. 下げ相場は上げ相場に変わり、悲観は楽観に変わる
  7. 一番危険なのは、持ち株をすべて売却すること

 

これらの事実からわかることは、調整や下げ相場は季節のように定期的に来るため、そこまで悲観する必要はないということです。

冬が過ぎると春がやってくるように、下げ相場はやがて回復に転じ、長期スパンで見れば株価は右肩上がりになります。

実際に下げ相場に直面したら気が気でなくなるかもしれません。ただし途中で売り払ってしまうと損失の確定に繋がります。

冬の時期を耐え忍べるかどうかが、数十年後の資産に大きな影響を及ぼすカギとなるのです。

2.手数料

2つ目の敵は「手数料」です。

金融商品を売買したり保有したりするだけで、運用額の一定の割合を、売買手数料や信託報酬といった形で運用会社に支払います。

なぜ手数料を意識しなければならないかというと、最終的な運用益(運用して得た利益)に多大な影響を及ぼすからです。

 

”「君が株式投資から50年間で7%のリターンを上げたとしよう」。この利率だと、複利の力によって「1ドルあたり30ドルの運用益が出る」。だが、平均的なファンドは経費として年間2%を請求するから、平均年利は5%に下がってしまう。これだと「君の運用益は10ドルになる。かたや10ドル、かたや30ドルだ。資本もリスクも100%君が負うのに、君の懐には収益の33%しか入らない!」。”[1]

 

このように、運用会社の懐に入る手数料を甘く見てはいけないのです。

 

手数料への対策はとてもシンプルで、「インデックスファンドを長期保有すること」です。

インデックスファンドとは、S&P500やNYダウなどの株価指数に連動した運用を目指す投資信託(ファンド)です。株価指数に沿った機械的な運用を行うため、手数料が安いという特徴があります。また長期保有すれば取引回数が抑えられるため、コスト削減に繋がります。

 

インデックスファンドとよく対比されるのが、アクティブファンドです。アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる金融のプロが、株価指数を上回る運用を目指すファンドです。ファンドマネージャーという人間を介すため、人件費として手数料が高く付くのが特徴です。

 

加えて、ほとんどのインデックスファンドは、アクティブファンドよりも運用成績が良いというデータがあります。

本書によると、資産1億ドル以上のアクティブファンド203社を対象とした、1984年~1998年の15年にわたる投資収益率の追跡調査の結果、S&P500インデックスを上回る収益率を上げたのは203社中たったの8社のみだったそうです。全体のわずか4%未満です。その4%にあたるファンドを引き当てることなど、投資初心者ならばなおさら難しいでしょう。

 

以上より、手数料とパフォーマンスの観点からも、インデックスファンドを選ぶべきだとわかります。

3.心理的バイアス

3つ目の敵は「心理的バイアス」です。

いくら金融市場の事実を学んだとしても、手数料への対策を施したとしても、自分の心理状態をうまくコントロールできなければ、せっかくの運用計画が台無しになりかねません。

人間の脳には、合理的な判断の邪魔をする、ある種のバグが存在します。これを心理学で「バイアス」と呼びます。

そのバイアスを自覚すること、そしてバイアスに抗うための強固なシステムを作ることが、合理的な投資を着実に実行するための対策となるのです。。

 

本書では、投資家が犯しやすいバイアスを大きく6つ紹介しています。

  1. 自分の信じたい情報ばかり取り入れる
  2. 直近の出来事が将来も続くと思い込む
  3. 自分の能力を過大評価する
  4. 一発逆転を狙う
  5. 自分がよく知っているものを良いと思う
  6. 損失を回避することばかり考える

 

これらは脳のバグなので、完全になくなることはありません。そのため、これらに対抗するにはバイアスから自分自身を守るルールを課す必要があります。

チェックリストを作りすべてクリアしたファンドのみを買うなど、客観的な視点を持たせることが、合理的な判断の手助けとなるのです。

 

まとめ

今回は『UNSHAKEABLE 揺るがない力』についてご紹介しました。

投資の経験が浅いうちは特に、不安や恐怖がどうしても付いて回るでしょう。しかしウォーレン・バフェットのような一流の投資家でさえも、恐怖心を全く持っていないわけではありません。

その恐怖に対抗できる強固なシステムを作り上げ、何十年もの間守り続けたことで、現在の莫大な資産を築き上げたのです。

ここでは取り上げませんでしたが、本書では他にも、

  • 金融資産(株、債券、金など)の配分方法
  • 投資アドバイザーの見極め方
  • 下げ相場のときにどう行動すべきか

などが詳しく解説されています。ぜひ本書をお手に取って、No.1カリスマコーチの投資メソッドを余すことなく吸収してみてはいかがでしょうか。

[1] 引用元:『UNSHAKEABLE 揺るがない力』Chapter3 手数料とごまかし

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